【藤井聡太四段の活躍で話題】モンテッソーリ教育についていろいろ調べてみた【内容や利点欠点、実施している教育機関など】
こんにちは。藤井聡太四段の連勝が続くことを期待していたじゃとです。
残念ながら今回の連勝は止まってしまいましたが、先日のブログ記事でも書いた通り、まだまだ年齢的にもチャンスは十分あると思うので、今後に期待ですね。
今回はまた同じく藤井四段に関するトピックで、前回調べていた際に幼稚園で「モンテッソーリ教育」を受けていたのが快進撃の要因といった記事を見たのですが、この「モンテッソーリ教育」というものが何なのか全く知らなかったので、それについていろいろ調べてみました。
モンテッソーリ教育とは?
「モンテッソーリ教育」とは、イタリアの精神科医マリア・モンテッソーリによって20世紀初頭に確立された教育法。(マリア・モンテッソーリは、イタリアで最初の女性医学博士の一人でもあったそうです。)
出典:Wikipedia
Wikipediaによると、モンテッソーリ教育法完成までの経緯は、以下のようなものだったようです。
イタリアのローマで医師として精神病院で働いていたモンテッソーリは知的障害児へ感覚教育法を施し知的水準を上げるという効果を見せ、1907年に設立した貧困層の健常児を対象とした保育施設「子どもの家」において、その独特な教育法を完成させた。以後、モンテッソーリ教育を実施する施設は「子どもの家」と呼ばれるようになる。
モンテッソーリ教育の具体的な内容と著名な卒業生
モンテッソーリ教育の特徴について、TBSの朝番組『ビビット』が取材を行った際、以下のような回答が返ってきていました。
日本の教育法は、先生が教えることを毎日決めて教えるのと違い、子どもが自分の意志で自分が選んで最後までやり通す。自立性を大事にすることによって忍耐力、持続力、集中力を養うのです
『モンテッソーリこどもの家(東京都)』面田伊佐子園長
実際のモンテッソーリ教育における重要なポイントには、以下のようなものがあるようです。(出典:公益財団法人 日本モンテッソーリ教育綜合研究所/LittleStar Magazine Online)
- 子どもが自分で自由に教具を選べる環境構成。
- やってみたいなと思わせる、おもしろそうな教具。
- 社会性・協調性を促すための、3歳の幅を持つ異年齢混合クラス編成。(これによって年齢の高い子は低い子の見本となろうとし、定常的に自身の学びや教える機会が訪れるとか)
- 子どもそれぞれの発達段階に適した環境を整備し、子どもの自己形成を援助する教師。
日本の一般的な教育方法とモンテッソーリ教育法の内容を比べてみると、日本の同い年が先生の方針のもと教えてもらう教育とは随分違うことがわかります。(教具で作業する時間は「おしごと」と呼ばれるようなのですが、1回に3時間程度設けられるその「おしごと」の時間は何をどれだけやるのも子どもの自由で教師に指示されるといったことはないようです)
実際にモンテッソーリ教育を受けた著名人は、海外ではGoogleの創業者のラリー・ペイジとサーゲイ・ブリンやジェフ・ベゾス(Amazonの創業者)、「発明王」トーマス・エジソンなど非常に多く、アメリカの大手経済新聞『Wall Street Journal』もそういったモンテッソーリ教育の特徴やなぜ上記のような起業家、発明家を輩出するのかに迫った『モンテッソーリ・マフィア』という記事を2011年に出していました。
一方、ネット上でアップル社の創業者スティーブ・ジョブズ、オバマ前アメリカ大統領もモンテッソーリ教育を受けた、という記載を見かけたのですが、英語圏の情報を見る限りそういった事実はないようで、当然ながらモンテッソーリ教育だけが著名人を育てる、ということではありません。
ちなみに、Googleの創業者サーゲイ・ブリン自身がモンテッソーリ教育について話していた動画が以下。(2010年にGoogle本社で行われたイベントでの発言だったようです)
藤井四段のモンテッソーリ教育経験
以下の毎日新聞の記事に詳しく書いてあるのですが、藤井四段が5歳で将棋に出会ったときに引き込まれ、才能を開花させた背景には3歳で入園したモンテッソーリ教育を取り入れた幼稚園、「雪の聖母幼稚園」での経験があったからなのかもしれません。
聡太さんが地元の幼稚園に入ったのは3歳。そこで実践していたのが、子どもの自主性を重んじる「モンテッソーリ教育法」だった。日常生活の訓練のほか、感覚や言語、算数、文化の教育に、特殊な教材や遊び道具を多く使う。最初にハマったのは、画用紙を編んで作る「ハートバッグ」という袋。「100個くらいは持って帰ってきたと思います。捨てるのもひと苦労でした」と振り返る。
4歳になった聡太さんに、正史さんはスイスの木製おもちゃ「キュボロ」を買った。大人でも難しい、立体の迷路を作ってビー玉を転がすキュボロを何時間も楽しむ様子に、裕子さんは「せっかくの並外れた集中力を生かせないか」と思案するようになる。正史さんと話し合い、「何かにのめり込んでいる時は止めないようにしよう」と決めた。電車のおもちゃ「プラレール」は、家の中を部屋をまたいで線路を作り走らせた。
そして運命の出合いは5歳で待っていた。隣に住む祖母が、駒の動かし方が書いてある公文式の「スタディ将棋」を、孫のために用意したのだ。みるみる引き込まれていくのを見て、すぐに通常の駒を買った。
モンテッソーリ教育のメリットとデメリット
モンテッソーリ教育のメリット・デメリットは、サンライズキッズエデュケーションの記事でまとまったものがありました。
まずメリットから。
・自由を尊重し個々の性質に見合った保育をするため、個性を伸ばせます。
・自分のやりたいことを思う存分できるので、情緒が安定します。
・自主性と積極性が身につき、楽しみながらさまざまな物事に取り組めるようになります。
・自然と考える力が身につき、決断力と行動力が高まります。
・集中力のある子供に育ちます。
・自らが進んで挑戦する意欲と好奇心が育ちます。
・物事を途中で投げ出さない責任感と忍耐力が身につきます。
・自分の意見や考えをしっかりと主張できるようになります。
上記でも書いてきた通り、典型的な日本の教育のやり方ではあまり養えない自主性や積極性が養えるのは大きなメリットですね。
一方のデメリットは、
・園の方針によって格差が出やすく、指導者の力量によってその効果も変わってくる。
・「他人に合わせる」「足並みをそろえる」といった意識が低くなり、集団行動が苦手で協調性に欠ける、といった傾向が見られる。
ということで、自主性や積極性が仇になるような点がデメリットのようです。
モンテッソーリ教育を実施している日本の教育機関
実際に日本でモンテッソーリ教育を実施している教育機関は正確には把握されていないようなのですが、以下のサイトでの一覧を見る限り、地方には全くない、といったことはなさそうです。(今回の藤井四段の活躍でこれからきっと増えていくのではないかと思います)
と、いうことで。
モンテッソーリ教育についていろいろと調べてみたまとめでした。
海外ではかなり多くの出身著名人がいるものの、日本では藤井四段がほぼ初めてのケースなのでこれからさらに注目されていくのではないかと思います。
また、TBS『ビビット』内で尾木直樹さん(尾木ママ)が「個別の主体性、自立心を大切にするよりも『一斉主義』『訓練主義』『型にはめる』『教師からの注入教育』中心の古い日本の公立小学校教育では後を引き継いでくれるか心配もありますね」とコメントされていたようなのですが(J-CASTテレビウォッチ)、日本ではモンテッソーリ教育を実施しているのは保育園・幼稚園のみで小学校以降はないようなので、まさにモンテッソーリ教育の成果がデメリットとなるようなことがないよう様々な選択肢が早く取れるようになってほしいなと思いました。(海外ではモンテッソーリ教育を行う小学校や中学、高校も存在しているようなので)