"やってみよう"な雑記

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プレゼンを成功させる!オリラジあっちゃんに学ぶスライドデザインの3つのコツ

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こんにちは。仕事でよくプレゼン用のスライドを作っているじゃとです。(Macで一番好きなソフトはKeynote笑)

今回は一昨日ぐらいからネット上で話題になっていたオリエンタルラジオ中田敦彦さん(あっちゃん)の「チケット転売防止」のブログ記事内にあったスライドが、効果的なプレゼンを行うためのスライドとして機能的で素晴らしいと思ったので、それについて書きたいと思います。

まずはそのブログをご覧ください。

オリエンタルラジオ 中田 公式ブログ - オリラジ中田、転売撲滅の画期的システム発表!


このブログ記事では、「チケット転売撲滅の画期的システム(ジャスト・キャパシティ・システム)の紹介」という結論にいたるまでの説明に、かなりの文章量(およそ3,800文字!)と共に9枚のスライドが沿えられています。

記事内容については今回の主題ではないので触れないのですが、基本的に記事の構成は、

  • 見出し(■から始まる一文)
  • スライド
  • 文章(スライドに関する詳細説明)

という形になっていて、スライドが見出し内容の詳細を伝えるとともに、その後の文章を分かりやすく図示・要約したものになっています。

僕はこの記事を最初に読んだ際、長文の文章の内容を理解するのにこのスライドの「見やすさ・分かりやすさ」に非常に助けられたのですが、なぜこのスライドが「見やすい・分かりやすい」と感じられたのか、以下解説してみたいと思います。

1. 「情報の見せ方」が整理されていて、安定している

まず、とても基本的ながら見やすくない、分かりにくいスライドによくあるのが、情報が整理されておらず、不安定になっていること。

整理されていないのが「情報の内容」であった場合、それはもう致命的ですが、情報はしっかり整理されていたとしても、その「情報の見せ方」も整理されていないと、それもまた理解を妨げることになってしまいます。

「情報の見せ方」が整理され、安定している、とは具体的には、フォントの大きさが全スライドで共通していたり、全ての図の縦横が揃っていることなどで、「情報を理解しようとした際に余計なストレスを感じないスライドになっている」ということを指します。

例えば、以下のスライド。

  • 【スライド⑥枚目】損失1のスライド

https://obs.line-scdn.net/0h8eRFrfysZ0pvP0nSAK8YHSZiYSUWXH1CBUdwcBppbWQaU3BKB0V4aQhmYSAcUHBGAxx4MD1ZYARFU197Ow5pbAM9Zg0QWiRULVxcTi86b3IydnlpT1ktJEg_O3pKCSEcWwsgKkp6OH1AXCkUAF8/small

転売によって損失が発生する状況を説明したスライドですが、まず、(主催者)と(転売者)、(来場者)の図が均等の距離に配置されており、それぞれの上下も揃っていることで、整理された印象になり、ストレスなく情報を理解できるようになっています。

2. スライドのルールが可能な限り少なくなっており、統一されている

「スライドが増えれば増えるほど、様々な図や色などが増える」というのは頻繁に起こることですが、その図や色などに関するルールをできるだけ少なくし、また統一することで、長いスライドでもより理解がしやすくなります。

例えば以下の2つのスライド。

  • 【スライド②枚目】転売により高い金額が支払われる状況を説明するスライド

https://obs.line-scdn.net/0h-5Q_e0MWchpsJlyCAxYNTSd7dHUVRWgSBl5lIBlweDQZSmUaBFxtOQt_dHAfSWUWAAVtYBtEUXo1TXRKDht0KjtCJS86Q0UvOR15CBJCSEE3E1w7TEA4dEsmLipIED1MWBU9eU4hLm9AETcfWUg5eg/small

  • 【スライド⑦枚目】損失2のスライド

https://obs.line-scdn.net/0hWjYbkdvnCEVkGybdC6R3Ei5GDiodeBJNDmMffxFNAmsRdx9FDGEXZgNCDi8XdB9JCDgXPzVoADECLxRDXA9AUUJSLAlKQj1bDgpHKidHCCUKdAZHRH1CK0MbVHZIKkYTUC9PI0QZE3ROKRwaUChO/small

上記のスライドは順番でいうと、2枚目と7枚目ということで少し離れてたスライド同士ですが、

  • 緑=お金の流れ
  • 黄色=チケットの流れ
  • 赤=転売
  • 青=定価=正規ルート

という形で、色のルールが統一されています。(実際には全てのスライドで統一されています)
チケットのアイコンやお金のアイコンなどの違いがあったとしても、こういったルールの統一がなされていることにより、全体を通してスライドの内容が理解しやすくなります。

3. 視線誘導が効果的にできている

最後はスライドをどのように見て欲しいか、という視線の誘導がしっかりとなされていることです。視線誘導ができているとスライド内の情報を正しい順序で読んでもらうことができ、混乱を防ぐことができます。

例えば、このスライド。

  • 【スライド⑨枚目】ジャスト・キャパシティ・システムを説明するスライド 

https://obs.line-scdn.net/0h42E-QAm9ax14VEWFFjEUSjIJbXIBN3EVEix8Jw0CYTMNOHwdEC50Ph8NbXcLO3wRFHd0Z1ktV3gzDHEfGnpeMyQVSSQFE0wSQ0p-ei0vQVcQOmw3WDIhc19UNy5UYipLTGAseFxTcCxSZn9CFDEn/small

スライド内で過程を説明する図を作成する際、このように①〜④といった番号を振ることはよくあるかと思うのですが、このスライドではその①〜④の番号が中央に集約されており、読む順番がすぐに分かるようになっています。

このような場合、中央ではなく、「①キャパが異なる3つの会場を仮押さえの上、まずチケットを売ってみる」のようにそれぞれの過程を説明する文章の冒頭に数字を付けてしまうスライドを頻繁に見かけるのですが、その場合、文章を少し読んでから番号を意識することになるので、上記のスライドよりも理解に余計な時間がかかってしまいます。

その他、視線誘導の方法としては強調(太字や色やサイズをかえるなど)や空白をつくるなどもあります。

と、いうことで。

以上、あっちゃんのスライドがなぜ見やすく、分かりやすいのか、という解説でした。

ちなみに、スライド内で使われているIcons8のアイコンも非常にシンプルで分かりやすいので、このような見やすいアイコンを使うだけでもだいぶスライドの分かりやすさが変わると思います。(アイコンがごちゃごちゃしているとそれだけで余計なストレスがかかってしまい、整理されていない印象になってしまうので)